片手で肩を押さえ付けられているだけでも、うまく体を起き上がらせられない。

 背中から広がるソファーの冷たい感触に、ぞくりと寒気が走る。



「ちょっと考えすぎちゃったね?」

「え……?」

「せっかくキミの心配してること、しないであげようとしてたのにさ? ──スオウちゃんのせいで、マダラはここに来ちゃうんだ」



 どういうこと?

 呆然と目を見開くことしかできない。



「おれはねえ、マダラのことがずーっとほしかったんだ。でも、何回お願いしても断られてさ。……それって、スオウちゃんがいるせいだと思うんだよね」

「そんなわけ……。私になんの関係が……」

「そりゃあキミに危険が及ばないように、でしょ? マダラの弱点はキミなんだから」



 斑くんの弱点が私……?

 一色に踊らされてるだけ……そう思いたいのに、今までの斑くんの言動が次々浮かんできてしまう。