「彼女に何かを買ってあげた事はないっす。通販でアクセを買ってあげようとしたら、安物は要らないって断られたっす」
えっ? 彼氏に買ってもらった、というのは嘘だったの? という事は……
私とご主人様は顔を見合わせた。二人とも同じ事を考えたと思う。つまり、加藤ミユキさんこそが産業スパイなのだと。
「斯波さん、彼女はこの部屋に来て、どういう行動をしてますか?」
「まず、夕飯を作ってくれます。とても旨いっす」
「その後は?」
「俺が夕飯を食べてる間に、風呂を沸かしてくれます」
「その後は?」
「俺が風呂に入ってる間に、帰ってるっす。だから、俺達はエッチはしてないっす」
なるほど。斯波さんがお風呂に入ってる間に、このパソコンで情報をUSBメモリか何かに抜き出してるんだわ。パスワードは盗み見てるんだと思う。簡単なパスワードらしいから。
ピンポーン
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「たぶん彼女が来たっす」
「俺達の事は言わないでください」
「わかったす」
斯波さんが玄関に行くと、私達は立ち上がって加藤ミユキさんが入って来るのを待った。ところが、斯波さんだけが戻って来た。
「彼女だったんすけど、二人の靴を見て、『お客さんなの?』って聞いてきたっす。俺は友達が来てるっすと言ったら、『コンビニに行ってマヨネーズを買って来る』って言って行っちゃったっす」
もう、斯波さんったら、どうして靴を隠してくれないのかなあ。
「追いかけよう? 逃げられたら大変だ」
「そうですね」
ご主人様と私は急いで靴を履いて表に出た。そしてコンビニがある方へ目を向けたら、電柱の陰に加藤ミユキさんらしき女性の姿を見つけた。
一瞬、私達が見られたのかと思ったけど、その女性はこちらに背を向けていて、スマホを耳に当てているのでそれはなさそうだ。
私達は足音をさせないように注意しつつ、彼女に背後から近付いて行った。すると……
「……そうです。『ピッコロ』というらしいです。前より凄いらしいので、報酬もそれなりにお願いします。今日は邪魔が入ったので、明日になるかもしれません」
という加藤ミユキさんの話し声が、しっかりと私達の耳に届いた。
えっ? 彼氏に買ってもらった、というのは嘘だったの? という事は……
私とご主人様は顔を見合わせた。二人とも同じ事を考えたと思う。つまり、加藤ミユキさんこそが産業スパイなのだと。
「斯波さん、彼女はこの部屋に来て、どういう行動をしてますか?」
「まず、夕飯を作ってくれます。とても旨いっす」
「その後は?」
「俺が夕飯を食べてる間に、風呂を沸かしてくれます」
「その後は?」
「俺が風呂に入ってる間に、帰ってるっす。だから、俺達はエッチはしてないっす」
なるほど。斯波さんがお風呂に入ってる間に、このパソコンで情報をUSBメモリか何かに抜き出してるんだわ。パスワードは盗み見てるんだと思う。簡単なパスワードらしいから。
ピンポーン
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「たぶん彼女が来たっす」
「俺達の事は言わないでください」
「わかったす」
斯波さんが玄関に行くと、私達は立ち上がって加藤ミユキさんが入って来るのを待った。ところが、斯波さんだけが戻って来た。
「彼女だったんすけど、二人の靴を見て、『お客さんなの?』って聞いてきたっす。俺は友達が来てるっすと言ったら、『コンビニに行ってマヨネーズを買って来る』って言って行っちゃったっす」
もう、斯波さんったら、どうして靴を隠してくれないのかなあ。
「追いかけよう? 逃げられたら大変だ」
「そうですね」
ご主人様と私は急いで靴を履いて表に出た。そしてコンビニがある方へ目を向けたら、電柱の陰に加藤ミユキさんらしき女性の姿を見つけた。
一瞬、私達が見られたのかと思ったけど、その女性はこちらに背を向けていて、スマホを耳に当てているのでそれはなさそうだ。
私達は足音をさせないように注意しつつ、彼女に背後から近付いて行った。すると……
「……そうです。『ピッコロ』というらしいです。前より凄いらしいので、報酬もそれなりにお願いします。今日は邪魔が入ったので、明日になるかもしれません」
という加藤ミユキさんの話し声が、しっかりと私達の耳に届いた。



