仕事が終わり、昨日と同じく2階のベンチに座っていたら、昨日と同じ頃にご主人様がやって来た。
「よ、お疲れ」
「お疲れ様です。ご主人様の方は、何か成果はありましたか?」
「いや、全く無い」
「私の方は、あったんです。有力な情報が!」
私はたぶん、ドヤ顔になっていると思う。
「そうなのか!? ぜひ聞かせてくれ。ただし小さい声でな?」
「はい。さっき、賄いを頂いてる時に…………」
私はご主人様に、加藤ミユキさんの話をした。
「やったな、恵子。めちゃくちゃ有力な情報じゃないか」
「え?」
「えって、何だ?」
「私、初めてご主人様に名前で呼ばれた……」
「初めて、って事はないだろ?」
「ううん、初めてです。今までずーっと、”おまえ”としか呼ばれてないもん」
「それは悪かった。これからは気を付けるよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
私は嬉しくて、思わず頬が緩んだ。
「おまえ、じゃなかった恵子も、”ご主人様”って呼ぶのは止めていいんだぞ。アレの時以外は、奴隷じゃないんだから」
「ああ、そうですよね。直すように努力します」
とは言ったけど、私の中では”ご主人様”という呼び方が、がっちりと定着しているので、今更直そうとは思わなった。
「よ、お疲れ」
「お疲れ様です。ご主人様の方は、何か成果はありましたか?」
「いや、全く無い」
「私の方は、あったんです。有力な情報が!」
私はたぶん、ドヤ顔になっていると思う。
「そうなのか!? ぜひ聞かせてくれ。ただし小さい声でな?」
「はい。さっき、賄いを頂いてる時に…………」
私はご主人様に、加藤ミユキさんの話をした。
「やったな、恵子。めちゃくちゃ有力な情報じゃないか」
「え?」
「えって、何だ?」
「私、初めてご主人様に名前で呼ばれた……」
「初めて、って事はないだろ?」
「ううん、初めてです。今までずーっと、”おまえ”としか呼ばれてないもん」
「それは悪かった。これからは気を付けるよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
私は嬉しくて、思わず頬が緩んだ。
「おまえ、じゃなかった恵子も、”ご主人様”って呼ぶのは止めていいんだぞ。アレの時以外は、奴隷じゃないんだから」
「ああ、そうですよね。直すように努力します」
とは言ったけど、私の中では”ご主人様”という呼び方が、がっちりと定着しているので、今更直そうとは思わなった。



