私がコーヒーを2つ持って課長部屋へ戻ると、ご主人様は複合機の所にいた。
「コーヒーをここに置きますね」
私はご主人様の机の上に、彼のコーヒーを置いた。
「お、サンキュー」
へえー、ご主人様は、奴隷の私に礼を言うんだ。案外優しいのね。
私は自分用に買ったコーヒーを自分の机に置き、椅子に座って改めて部屋の中を見渡した。
窓の前にご主人様の机があり、ご主人様から見て斜め右に白い複合機とシュレッダーがあり、斜め左に私の机がある。後ろは壁だ。
部屋の中央には白いローテーブルがあり、それを挟んでグレーの3人掛けのソファが2つ。私から見て斜め左の壁際には、空の書棚が並んでいる。
二人で使うには十分な広さがあり、ここなら徹夜で残業しても苦にならない気がする。出来ればそれは避けたいけれども。
ノートPCの蓋を開け、熱々のコーヒーを啜っていたら、ご主人様が私の机にパサッと紙を置いた。
「今日の仕事をやる。こいつらの個人情報を調べろ」
その紙を手に取って見たら、社員の一覧だった。なぜ社員と判ったのかというと、氏名の横に部署名と役職名が記載されていたからだ。
その中には、役員の名前もあった。
「ご主人様、役員の個人情報は無理です。私にはアクセス権がありませんので」
よくは知らないのだけど、役員の個人情報を閲覧出来るのは、本人と人事担当者ぐらいだと思う。総務部でその権限を持つ人がいるとしたら、最低でも課長以上ではないかと思う。
「大丈夫だ。おまえに権限を付けておいた」
「えっ、そうなんですか?」
ご主人様が、あまりに簡単に言うので、私はびっくりしてしまった。本阿弥真一郎という人は、一体何者なんだろう。社長から、どんな業務を任されたんだろうか。
「コーヒーをここに置きますね」
私はご主人様の机の上に、彼のコーヒーを置いた。
「お、サンキュー」
へえー、ご主人様は、奴隷の私に礼を言うんだ。案外優しいのね。
私は自分用に買ったコーヒーを自分の机に置き、椅子に座って改めて部屋の中を見渡した。
窓の前にご主人様の机があり、ご主人様から見て斜め右に白い複合機とシュレッダーがあり、斜め左に私の机がある。後ろは壁だ。
部屋の中央には白いローテーブルがあり、それを挟んでグレーの3人掛けのソファが2つ。私から見て斜め左の壁際には、空の書棚が並んでいる。
二人で使うには十分な広さがあり、ここなら徹夜で残業しても苦にならない気がする。出来ればそれは避けたいけれども。
ノートPCの蓋を開け、熱々のコーヒーを啜っていたら、ご主人様が私の机にパサッと紙を置いた。
「今日の仕事をやる。こいつらの個人情報を調べろ」
その紙を手に取って見たら、社員の一覧だった。なぜ社員と判ったのかというと、氏名の横に部署名と役職名が記載されていたからだ。
その中には、役員の名前もあった。
「ご主人様、役員の個人情報は無理です。私にはアクセス権がありませんので」
よくは知らないのだけど、役員の個人情報を閲覧出来るのは、本人と人事担当者ぐらいだと思う。総務部でその権限を持つ人がいるとしたら、最低でも課長以上ではないかと思う。
「大丈夫だ。おまえに権限を付けておいた」
「えっ、そうなんですか?」
ご主人様が、あまりに簡単に言うので、私はびっくりしてしまった。本阿弥真一郎という人は、一体何者なんだろう。社長から、どんな業務を任されたんだろうか。



