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「うぅ……体痛てぇな」
カメラ内に顔をしかめる達也が映り込む。
後ろの景色は車内から見える鳥居と山の木々だった。

「起きたか」
運転席で眠っていたいはずの雄一はとっくに目を覚ましていたようで、どこから調達してきたのか、ナイロン袋に入ったパンとお茶を差し出してきた。

「サンキュ。この辺にコンビニなんかあったのか?」
「コンビニなんてないよ。でも小さな商店があった。畑仕事をする人は朝早いから、もう開いてたんだ」

スマホで時間を確認するとまだ朝の7時を過ぎたところだった。
昨日はあまり眠れなかったようで、ふたりとも目の下にクマができている。
「ついでに町の地図をもらってきたんだ」

雄一が自分の膝に地図を広げて見せた。
ここにバスが停まったということもあり、付近には古い遺跡や墓などが沢山あるみたいだ。
「施設利用者が遊ぶそうな場所はなさそうだけどな」