とある村の怖い話


達也からの文句が聞こえていないのか、雄一は目の前で立ち止まったまま動かない。
カメラが雄一の前方を映し出す。
そこには素足のままで立ち尽くした夏美の後ろ姿があった。

「夏美?」
雄一が優しく声をかけてゆっくりと近づいていく。
「夏美、どうした?」

その肩を叩くと、夏美がビクリと体を跳ねさせて振り向いた。
瞳が大きく左右に揺れている。
「雄一……私、ひとりで外に出られた」

驚きに目が見開かれる。
カメラが夏美の顔にズームした。