とある村の怖い話


「なにそれ、雄一、ずっとそんな風に思ってたの?」
夏美の声が震える。

「いや、そうじゃないよ。だけどいつまでも引きこもってたんじゃダメだろ? いずれは両親んだって死んでしまうんだし、外へ出る準備をしなきゃ」

「そんなの言われなくてもわかってる! だから雄一と一緒にコンビニに行ったり、夜の公園に出かけたりしてるんでしょう!?」
夏美が金切り声を上げて立ち上がり、雄一めがけてクッションを投げつけた。

その顔は真っ赤に染まり、目には涙が滲んでいる。
「私にとってはそれが精一杯なの! 普通に生きてる雄一にはわかんないよ!」
「わ、悪かった夏美。そうだよな、夏美は頑張ってるんだよな」
「雄一はわかってくれてるんだと思ってた! ずっと、信じてたのに!」

叫び声を上げて部屋を飛び出す夏美。
夏美はそのまま階段を駆け下りて玄関の外へ飛び出していく音が聞こえてきた。

「夏美がひとりで外に出た!?」
驚いた顔をこちらへ向ける雄一。