「おーっす! バイトお疲れ!」
うんざりした顔の雄一へ容赦なくカメラが近づいていく。
「お前なぁ、人のバイト終わりに待ち伏せするなよ」
「どうせこれから夏美ちゃんに会いに行くんだろ? それなら同行する」
「断っても無理やりついて来るんだろ」
雄一は諦めたように歩き出す。
薄暗くなってきた街並みをふたりで並んで歩いていて、アスファルトにはふたりの影が伸びている。
「昔と比べて最近の夏美ちゃんの様子はどうなんだ?」
「どうって……まぁ、だんだん良くなってるとは思うけど、まだわからないな。俺がいないときの様子とかはわからないわけだし」
「やっぱり、雄一がいるときといないときじゃ違うのか?」
「そりゃ違うだろ。時々夏美の母親から相談を受けるんだ」
「どんな?」
「誰かから心配されることが疎ましいのか、突然キレるって」



