夜の公園の中に雄一と夏美が入っていく。
「懐かしいなこの公園。ふたりでよく遊んだよね」
夏美が滑り台の手すりに触れて言う。
「あぁ。毎日のように来てたよな」
「夜の公園ってなんだか落ち着く」
それからふたりは木製のベンチに座った。
カメラマンである達也はなにも言わずに撮影を続けている。
「そろそろトミーチャンネルが始まるかも」
夏美がスマホを取り出し、達也へ向けて手招きをした。
達也と雄一で夏美を挟むようにして座り、カメラはスマホ画面を映し出した。
『沢山の人が通報してくれたみたいで、ありがとうございます。このトミーチャンネルはヤラセでもなんでもありません。本当に僕と、山田美加さんは自分が今どこにいるのかわからない状況です』
開始早々に映し出されたのは困惑顔のトミーと泣きそうな顔の美加だった。
ふたりは山の中にある小道のようなところに出てきていた。



