とある村の怖い話

昨日の配信では今にも倒れてしまいそうだったのに。
『じゃーん! 山田美加さんです!』
トミーの横から現れたのは長い髪の毛をクルクルに巻いた1人の女性だった。

月明かりで金髪がキラキラと輝いて見える。
「山田美加?」
トミーの大きな声で目を覚ました達也が画面横で起き上がり、呟いた。

「知ってるのか?」
「今朝のニュースで聞いた名前だ。確か、行方不明になったとか、なんとか」

『こんばんは……山田美加です』
美加はまだ戸惑っているようで、チラチラとトミーへ視線を向けながら挨拶をした。
『いやぁ、美加さんに出会ったおかげで僕は九死に一生を得ました! なにせ飲まず食わずでしばらく歩き回ってたんで、いつ死んでもおかしくなかったんですから!』