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まだ後方から村人たちが追いかけてきている気がして、鳥居の前まできても足を止めることができなかった。
鳥居の向こう側には達也が乗ってきた白い車が見える。
いまよい村が燃え盛っている灰の匂いが鼻腔にこびりついている。
鳥居から外へ飛び出した瞬間に、その匂いがフッと消えたのを感じた。
「外……?」
夏美が唖然とした顔で周囲を見つめる。
「あぁ。ノートを燃やしたから外に出られたんだ。村の人たちも出ようと思えば出ることができるはずだ」
雄一は説明しながらすぐに運転席へと乗り込んだ。
とにかく一刻でも早くこの山から遠ざかりたかった。
「みんな……」
夏美が車の前で立ち止まり、振り返る。
村人の中の何人かが幼い子供を連れて山から脱出してくるののが見えた。
その中に友樹の姿は見えない。
「行こう夏美」
運転席から顔を覗かせた雄一に声を掛けられて、夏美は後部座席へと乗り込んだのだった。
まだ後方から村人たちが追いかけてきている気がして、鳥居の前まできても足を止めることができなかった。
鳥居の向こう側には達也が乗ってきた白い車が見える。
いまよい村が燃え盛っている灰の匂いが鼻腔にこびりついている。
鳥居から外へ飛び出した瞬間に、その匂いがフッと消えたのを感じた。
「外……?」
夏美が唖然とした顔で周囲を見つめる。
「あぁ。ノートを燃やしたから外に出られたんだ。村の人たちも出ようと思えば出ることができるはずだ」
雄一は説明しながらすぐに運転席へと乗り込んだ。
とにかく一刻でも早くこの山から遠ざかりたかった。
「みんな……」
夏美が車の前で立ち止まり、振り返る。
村人の中の何人かが幼い子供を連れて山から脱出してくるののが見えた。
その中に友樹の姿は見えない。
「行こう夏美」
運転席から顔を覗かせた雄一に声を掛けられて、夏美は後部座席へと乗り込んだのだった。



