用務員さんから更に話を聞いた所、真司くんは行方不明になったその年の内に死体で発見されていた。
ちょうど、手足が発見されたあの川にプカプカ浮かんでいたそうだ。

「行方不明の男の子が死んでたなんて……」
校庭から出たところで裕香さんが深刻な表情でため息をついた。
まさかの結果に驚きを隠せないようだ。

「引っ張り回してすみませんでした。おかげで、重要なことがわかりました」
雄一が後ろから声をかける。

「えぇ。君たちはまだその村について調べるの?」
裕香さんは『いまよい村』という言葉を使わず濁して言った。
「はい。人が作り出した村ならなんとかなるような気がします」

雄一の答えに裕香さんは首をかしげたけれど、それ以上なにも聞かずに小さく頷いたのだった。