【コンテスト用シナリオ】初恋に雨~溺愛大学生に愛されちゃうみたいです~

〇昼休み・美術部部室・晴れ
元気よく部室のドアを開ける絵菜。
絵菜「失礼しまーす」
キャンバスから視線を絵菜に向ける真。
とびきりの笑顔で絵菜に微笑みかける。
絵菜(すべての動作が絵になるなあ……この人)
真「絵菜ちゃん、久しぶり。今日はやけに機嫌がいいね」
照れたように頭をかく絵菜。
絵菜「えへへ……分かっちゃいます?」
真「うん、何かあったの?」
目をキラキラと輝かせる絵菜。
絵菜「はい!そうなんです!実は今日、何と、補習がないんです!」
拍子抜けした表情になる真。
真「え……?」
絵菜「本当に、これはすごいことなんですよ!もっと驚いてください!」
苦笑いでうなずく真。
真「ああ、それは……すごいね」
絵菜「ですよね!……ってあれ?」
首をかしげる絵菜。
絵菜「先輩の方こそ、何か今日、元気なくないですか?」
驚いて固まる真。
真「えっ……」
絵菜「何かありました?……は!もしや、私がうるさすぎたとか!?」
ワンテンポ遅れて笑い出す真。
真「ふ…あははははは!」
絵菜「え、私変なこと言いました?」
真「ふふ……いや、実はね、そろそろテストの時期かなあと」
ハッとした顔になる絵菜。
絵菜「そうでした……完全に忘れてた…」
真「絵菜ちゃんも、頑張ってね。夏休みまで補習になったら大変だ」
絶望して頭を抱える絵菜。
絵菜「わー…。言わないでください。もう考えたくない」
真「あははっ……」
嬉しそうに視線を上げる絵菜。
絵菜モノ『良かった…先輩、元気になった……』
そんな絵菜を見て悲しそうに笑う真。
真(本当は…それだけじゃないんだけどね)

〇午後・教室・晴れ
嬉しそうに机に向かう絵菜。
イライラした表情で机に乗る七海。
七海「もー…次数学とがマジ最悪」
「それなー」と同調する取り巻き達。
苦笑いで七海を見る西田。 ※西田:七海の友達。ポニーテールのボーイッシュな見た目。
呆れた顔で七海たちを見る高橋。
高橋「うるせー、七海。てか机乗んなよ」
顔を赤らめて、言い返す七海。
七海「だってー…。暇なんだもーん」
高橋「ったく……」
ニヤニヤして二人を見る佐藤。 ※佐藤:高橋の友達。短髪の元気系男子。
佐藤「そういえば!七海たち、今日暇なんだろ?」
西田「え、まあ…暇だけど……」
キラキラした笑顔で話す佐藤。
佐藤「じゃあさ、じゃあさ。合コン行かね?北高の女子たちと約束してたんだけど、今日、急に来れないって言われてさ~!あ、高橋も来るってよー」  
七海「え!行きたい!みんな、行けるよね?」
その光景を遠い目で見る絵菜。
絵菜(まぶしい……)
取り巻きA「うん…行けるけど…」
取り巻きB「うわーごめん!私行けない!」
七海「え、嘘…」
佐藤「じゃあ、男子の方が人数を多くなっちゃうね」
閃いたように立ち上がる七海。
七海「だ、だったらさ!他に来れる女子探すから!行こ!」
七海に気圧されてうなずく一同。
面倒くさそうに立ち上がり、教室を出ていく高橋。
高橋「俺、トイレ行ってくる」
佐藤「ちょ、待てよー」
高橋について出ていく高橋の友人達。
拗ねたように唇を尖らせる七海。
七海「えー…。まだ話の途中なんですけどー……」
佐藤「それより、あと一人の女子。誰に来てもらう?」
絵菜(陽キャの人たちは話が進むのが速いな……)
閃いたように手を叩き、悪だくみをするような表情になる七海。
七海「じゃあさー……。雨堂さん、来てくれない?」
絵菜「え……?」
ニヤニヤして口元に手を当てる七海。
七海「だってー…。雨堂さん、さっきの話聞いてたでしょ?それに、今日部活ないだろうし……ね?」
七海(それに……私より目立つ女は呼べないしね)
絶望した表情になる絵菜。
絵菜モノ『えー‼どうなっちゃうのー‼』

〇放課後・カラオケルーム
佐藤「かんぱーい!」
一同「かんぱーい!」
向かい合って座り、グラスを持ってカチンと音を鳴らす一同。
隅っこに座り、縮こまる絵菜。
絵菜(男5人、女も私を含め5人……そしてその内、女子3名、男子4名は女子に気がある……)
絵菜モノ『イコール……地獄!』
一同「何それー」
すでに盛り上がっている一同の声に肩を震わす絵菜。
絵菜(やだ、やだ…。もう帰りたい‼)
悪い笑顔で絵菜を見る七海。
七海「ねー雨堂さんもそう思うよねー?」
顔を真っ青にして「ひっ」と声を上げる絵菜。
絵菜「そ、そ、そうっすねー⁇」
一同「……は?」
うう、半泣きで俯く絵菜。
絵菜(うー、もう蒸発したい……)
西田「それよりさー。何で北高の女子は合コン断ったのー?」
ホッとして胸をなでおろす絵菜。
絵菜(ふー……良かった…。ありがとう西田さん……!)
着信音が鳴り、スマホに目を向ける絵菜。【ねえ、来週の日曜に変更していい?】の文字。【了解です!】と打ち込み送信する。
絵菜(変更だなんて、何かあったのかな?)
七海「えー…。まだジュース来ないんだけど……」
バッと立ち上がり、七海のもとに向かう絵菜。
絵菜「わ、私が聞いてきますね!」
七海「え、あ、ありがと……」
走りそうな勢いで部屋を出ていく絵菜。

〇放課後・カラオケ
立ち止まり、両手を天井に突きつける絵菜。
絵菜モノ『地獄…脱出成功!』
絵菜(ここまでよく頑張った…)
高橋「雨堂!」
絵菜(ひええ!高橋君、何でここに……)
高橋「あいつの我儘に付き合わなくていいのに」
顔を真っ青にして手をこねりだす絵菜。
絵菜「いえいえ、我儘だなんてそんな…」
絵菜モノ『地獄…再び』
絵菜(てか、名前知ってたんだ)
呆れたように話し出す高橋。
高橋「七海のやつ、どうしてああなんだろうな」
それをまぶしそうに見つめる絵菜。
絵菜(流石、陽キャをよく知る陽キャの言葉は響くね……)
高橋「あいつ、いつもさー」
絵菜「へー……っと」
自分の足に躓いてこけそうになる絵菜。
高橋「おっと」
ギリギリで絵菜の腕を掴む。
その拍子に絵菜のメガネが落ちる。
絵菜の顔を覗き込む高橋。
高橋「雨堂、大丈夫か?」
絵菜の顔を見て息をのむ。
困ったように笑い高橋を見上げる絵菜。(アップ、美少女)
絵菜「すいません。大丈夫です。実は視力悪くないんです。眼鏡も伊達だし…」
絵菜(父親が眼鏡コレクターだからとは言えない…)
そう言い、眼鏡を拾い上げる。
絵菜「じゃあ、行きましょうか」
高橋「ああ……」
立ち止まり手で顔を隠す。(赤くなっている耳が見える)
高橋(やべえ……何だこれ……)
先を歩いている絵菜を見つめる。