編集部・神崎『先生、進捗どうですか?』
編集部・神崎『あと2日ですよね?』
編集部・神崎『起きてますか??』
編集部・神崎『先生?????』
編集部・神崎『生きてますよね??????』
編集部・神崎『もしもし???????』
編集部・神崎『先生、生存確認!!!!!!』

「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

もうこれ、完全に詰んでるやつじゃん……!!

「……先生、現実逃避してる場合じゃないですよ?」

橘が呆れた顔でこっちを見る。

「うぅ……だって……もう無理……締め切り、間に合わない……」

「大丈夫ですよ。先生の手が動く限り、なんとかなる」

「ならないよ!? 残り2日でネームすら完成してないんだよ!? 無理だよ!?」

「じゃあ、今から徹夜でやりますか?」

「ムリィィィィィ!!!!」

絶叫する私を見て、橘が小さく笑う。

「仕方ないですね……じゃあ、僕も手伝います」

「え……?」

「先生が寝落ちしないように、横で監視してます」

「それ……手伝いって言う?」

「言います」

「詐欺だよね!?」

そう言いながらも、橘は私のデスクに置いてあったペンを手に取った。

「ほら、先生。時間ないですよ?」

「……」

はぁぁぁぁぁ……

……もう、やるしかないか。

「……橘、徹夜覚悟してる?」

「もちろん」

「じゃあ、今から地獄の原稿作業だからね?」

「ええ、楽しみですね」

……この人、もしかしてドMなんじゃないだろうか。