「あっ、優に懐いてる子だ~」

次の日。
2階の廊下で、山崎先輩の代わりに出会ったのは、先輩の友達。

「あ、山崎先輩のお友達の……」

「そーそー。君、最近よく優と話してるよね。あいつが女子と会話するのめずらしいから、びっくりしたよ」

「そうなんですか?」

なんか嬉しいな。
先輩の特別……みたいで。

「でも、よかったよ。優、一時期ひどかったから、元気になって」

「え?」

「多分、君がそばにいるおかげなんだろうな」

言っていることの意味も分からず、だけど少しだけ気持ちが上がる。

だから、聞きたくなかった。

「さくらちゃんと、声そっくりだもんな」