理想の彼氏の作り方~イケメン王子と愛のクリスマス~

「……!
 な、何するんだ……!?」

 びっくりしている直人にわたしは言った。

「そんなに悔しいんだったら、言えばいいじゃない!
 今、ここで。
 ステージに乱入して。
『俺がレオンだ!』って言って歌っちゃえばいいのに!
 そしたら、直人がレオンだって皆が気がついてくれるはず……!」

「……ダメだよ、苺。
 そんなことは、出来ない!」

 わたしの完璧なプランに、直人は、首を振り……止めた。

「俺は……俺たちは。
 ここに来てくれた皆に夢を売ってるんだ。
 俺のわがままで、みんなの幸せな夢を崩しちゃいけないんだよ?」

「……でも、直人!」

「いいんだ」

 直人は、ちょっとカッコいい顔をして笑った。

「それでも、こんなに大勢の人たちが、俺の歌を聞きに来てくれているんだから!」

 直人のセリフが合図みたいに、Zの曲が始まった。