理想の彼氏の作り方~イケメン王子と愛のクリスマス~

「そんな……!」

 Zの事情に、声がつまった。

 これは。

 大ファンのわたしだって。

 教えてもらうまで、全く知らなかったことだったから。

 直人と、竜樹先輩は、従兄弟同士で、声が似ているから。

 普段の声から歌声への切り替わりに、違和感が、ないんだもん。

 だれも、気がつくはずがない。

 言ってくれなくちゃ!

「直人は、それで、いいの?
 それじゃ……
 それじゃ、直人のことは……だれにも気がつかないじゃないの。
 直人だって歌の練習、ちゃんとしてるんでしょう?
 夜、寝ないで、曲を書いているんでしょう?
 全部、先輩に持っていかれて悔しくないの?」

「……悔しくないわけ……ないじゃないか」

 ステージの上で、挨拶をしている竜樹先輩を見ながら、直人は、つぶやいた。

「……すげー、悔しいに決まってる」

 それなら! と。

 わたしは、直人の腕をつかんで、ステージの方へひっぱった。