いつまでたっても届かない、キスにしびれを切らして。 そっと片目をあけて見てみれば。 直人は。 わたしの唇に触れる寸前で止まっていた。 ……ち、近いしっ! 「ななななにっ! ……キス、しないわけっ!?」 照れ隠しに。 つんけんと、ささやくわたしに、直人は困ったように言った。 「……俺、思い出しちゃって」 「何を!!」 「今日の……今、このスペシャル・ツリーの前でキスをすると。 そのカップルは、永久に、結ばれるって」