初恋の人は人気者

「色々聞きたいとこだけど、時間がないからあとできっちり聞かせてね!」

「はーい」


こりゃ、逃れることは無理そうだね。

諦めて授業終わったら話そう。


と決めて、授業を受けていた。


授業が終わるとすぐに玲奈ちゃんに連れ出され、いつも来るカフェでコーヒーを飲む。

今日は、私も玲奈ちゃんも1限目で授業は終わり。


というか、サボってしまった。

たまにはいいよね、サボるのも。


「で?なんで、雪と樹さんが一緒に学校来てたの!」


わー、直球だなぁ。

どこから説明すればいいんだろうか…


悩んだ挙句、最初から話すことにした。


「いつもの満員電車で、急ブレーキがかけられたんだよね」

「ふむふむ」

「で、バランス崩して前の人にぶつかっちゃって」

「それが、樹さん?」


私は静かに頷く。

そのあと、学校着くまでのことを細かく話した。

ずっと、心臓バクバクさせながら。