「お前って、ちっちぇーんだな」

「え?あー…149cmです」


昔から背が小さかった。

だから慣れてたけど、やっぱり不便なときもある。


「ちっちゃ!俺のここ、捕まっとけ」

「え?」


なんで?

小さいからって、どうして?


「危なっかしい」

「え…」

「人多いし、また誰かにぶつかったらいなくなりそうだし」


心配してくれてる…?

それとも、バカにされてる…?


「いいから、ほら」

と言って、無理やり先輩の手が私の手を捉えた。

手、繋いでるんだけど…


「雪って、この電車に毎日乗ってんの?」

「はい」

「ふーん。毎日、満員なわけ?」


きっと先輩、あまり電車に乗らないんだ。


「そうですね…平日のこの時間は満員です」

「じゃあ、毎日危ないじゃん」


そうなの?

そんなことないと思うんだけど…