「自分で食べてもわかんねぇし、兄貴は甘いの苦手だし。試食してくれたら助かるんだけど」

「もちろんです!」


甘いもの食べれるなんて幸せすぎる!

断る理由がないよ!


「ふっ。ほんと雪って、甘いの好きなんだな」

「先輩も、好きだって聞きましたよ?」

「普通だけど」

「え?」


あれ?確か冬弥さん、先輩甘いもの好きって言ってなかったっけ…?


「作るのは好きだけど、食うのは別に普通」

「そうなんですか」

「兄貴が昔から勘違いしてたんだろ、どうせ」


なるほど。


「雪、家どっち?」


あ、気づいたらもうここまで来てたんだ!


「ここ曲がったらすぐなんで、ここで大丈夫です。送ってくれてありがとうございました!ケーキも、すっごく美味しかったです!」

「ん、ならよかった。じゃ、明日な雪」

「はい!」


私たちは解散した。


先輩の優しさ、私にはもったいない。

今でもまだ、胸がザワザワとうるさいのがわかる。


明日、楽しみだな。