「俺にぶつかってきたときも、誰かにぶつかられて俺にぶつかってきたときも、しばらく電車動かなかったときも。ほっとけなかった」


そっか…不安だったの、気づかなかった。

なのに、先輩は気づいてくれてた。


「自分のことなのに、全然気づかなかったです」

「アホ」


ほんと、自分でもアホだと思う。


「だから、毎日ここで待ってるって言ってくれたんですか?」

「んまぁな」


そっか。

気を使わせちゃってたんだ…


「気にすんなよ。俺がしたいだけだから」

「でも、申し訳ないです」

「いいって言ってんだから、素直に甘えておけ」


素直に甘える…

いいのかな?ほんとに…


「その代わり、俺が試作で作ったやつ食ってくんね?」

「へ?」


試作で作ったやつを…?