次の日。
私は出来上がった資料を手に木下次長のデスクに向かった。
「木下次長、資料できました。確認お願いします」
手渡した資料をめくりながら木下次長が小さく頷いた。
「ん、いい出来だ。このまま進めてくれ」
私は嬉しくなって、右手に力を込めた。好きな人から褒められれば想いが溢れ出してしまう。
「木下次長、好きです!」
私の言葉に、また始まったかとオフィスが騒然とした時だった。
木下次長がフッと口角を上げて微笑んだ。
それを見た社員達全員が驚愕し、固まった。
「え?何?どういうこと?」
「木下次長が落ちた!」
「まさか……嘘でしょう」
そんな声が後ろから聞こえてきたので、私はゆっくりと振り返ると、みんなに向かってピースサインをして見せた。私のその行動で皆はすべてを察したようで、オフィスがまるでお祭り騒ぎの様になってしまう。
「うそ!おめでとう!皆川さんの粘り勝ちね」
「とうとうあの木下次長が落とされた!」
「すげーよ皆川さん!幸せにな」
まるで結婚でもするかのような騒ぎに、私は驚きつつも笑顔で皆に応えた。
「ありがとうございます」
いつの間にか私の隣に立った木下次長が、私の肩を抱き寄せて微笑んだ。そんな私たちを見て、更にオフィスが祝福の声であふれる。そんなオフィスの奥で香奈が拍手しながら微笑んでいた。そんな香奈に向かって私も微笑み返した。すると香奈の口がパクパクと動いていることに気付く。
「お・め・で・と・う。よ・かっ・た・ね」
私は香奈に向かって満面の笑みを返した。そして私も口を動かした。
「あ・り・が・と・う」
これは私が7日間とちょっとで大好きな人を落とした話。
皆さんはどんな恋をしていますか?
私の恋は始まったばかり。
まだまだこれからだ。
これからまた苦しいことも、楽しいこともあると思う。それで前に進んでいきたいと思う。大好きな人がそばにいてくれるなら、私は前に突き進んでいける。
新しい物語を紡ぎながら、私の恋は前進あるのみ。
* FIN *


