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ここの所やたらと木下次長と目が合うようになってしまった。私はそれが気まずくて、すぐに目を逸らしてしまう。目が合うと涙が出そうになってしまうから、眉間に力を入れて必死に感情を抑える。そのせいで自分の顔が残念なことになっていることは分かっていたが、どうすることも出来なかった。顔に力を入れ溢れ出る想いを我慢して、ひたすら仕事に打ち込む。
大丈夫、このまま仕事を続けていれば忘れられる。
時間がかかっても、良い思い出として忘れられる日がきっと来るはずだ。それまでは辛いかもしれないが、今は耐えるしかない。そんな私の心をかき乱すように、木下次長が優しい瞳でこちらを見つめてくる。
お願いだから、そんな目で見ないでほしい。
またあなたの名前が呼びたい。私の名前を呼んでほしい。そんな願望で頭がいっぱいになってしまう。だから集中しなくては……バカな考えを頭の隅へと追いやり、目の前の仕事をこなしていく。今の私には仕事がある。仕事が恋人だ。そう言い聞かせるように、パソコンの画面と向き合った。
「皆川、皆川……琴葉!」


