「颯斗、最近のあんた良い顔してたわよ。もういいんじゃない?美紀子だって許してくれるわよ。だって美紀子よ」
杏の言葉がすとんと俺の心に落ちてきた。
だって美紀子よ。
そうだな。
美紀子……美紀子だもんな。
「杏……ありがとうな」
目頭を押さえる俺の背中を杏がバシバシと叩いてきた。
「お前がいてくれてよかった」
「ふふふ、そうでしょう。一生私に感謝しなさい」
どちらからともなく酒の入ったグラスに手を伸ばすと、グラスを合わせた。
それからは皆川の様子が気になる日が続いた。
気づけば皆川を目で追っていた。
俺はストーカーか。
思わず自分に突っ込みを入れてしまう。
そんな俺に、皆川は嫌そうな顔を向けてくる。
今までは皆川が俺にアプローチしてきてくれたが今度は俺が……そう思っていても、なかなか行動に起こせない。そんなふがいない自分にあきれてしまう。
どうしたらいい。
どうしたら……。
皆川はいつだって素直な気持ちを俺にぶつけてくれただろう。


