7Days~7日間であなたを落とす方法


 それが皆川をさす言葉だと分かっていたが、俺はそれを無視した。

 それを見ていた杏があきれたように溜息をついた。

「あんた本当にバカね。そんな顔をして、まだ自分の気持ちに噓をつくつもり?それとも気付いているのにごまかそうとしているの?」

 図星をつかれて俺は何も言えなかった。

「もしかして美紀子に悪いとか未だに思っているの?」

「なっ……そう思って何が悪い。美紀子は……」

 俺がグダグダと言葉を続けようとしているのを杏が断ち切った。

「ほんとバカたわ。それこそ美紀子に悪いんじゃないの?あんたはあんたの時間を生きなさいよ。もういない人間にすがろうとするな。それはもう甘えでしょう。逃げようとしているだけよ。いい加減に前を向いて進みなさい。美紀子だって成仏できないわよ」

「すがってなんか……」

 そこまで言って、俺は言葉を飲み込んだ。

 確かに俺は美紀子にすがっている。

 美紀子との思い出に俺はすがって、すべてを拒絶し続けた。

 美紀子との思い出があればそれでよかった。

 一生独りでもよかった。

 そんな俺の心に入り込んできたのは皆川だった。真っすぐな想いを隠すことなく伝えてくる。それが物凄く嬉しかった。