* 7Days~その後。
私は一人で電車に乗り込んだ。
私が木下次長への想いを断ち切ったあの日から2週間が過ぎていた。
一人で乗る電車がこんなに寂しいなんて、思いもしなかった。木下次長と一緒に出勤していたのは一週間だけだったというのに、とても濃い一週間だったせいだろう。隣にいない人を思い出し、ため息が漏れた。
未練がましい自分にあきれてしまう。
休憩時間、女性社員のヒソヒソした声が耳に入る。
「最近皆川さん静かじゃない?」
「そういえば、木下次長への告白、最近聞いてないよね?」
「とうとう諦めたのかな?」
そんな声が聞こえてくる……、心無い言葉が私の胸を一層苦しくさせた。
それでも自分は大丈夫だ。仕事に集中するんだと言い聞かせ、前を向く。この2週間なんとか抑え込んだのだから、この先も大丈夫。木下次長への想いは、私の胸の奥底にしまい込むんだ。
今日も自分を奮い立たせるように両手を握りしめながら電車から降りると、私は顔を上げて会社へと向かった。
朝の挨拶をしながら自分のデスクに着くと、パソコンへと向き合った。集中して昨日の続きを黙々とこなしていく。嫌なことは思い出さないよう、仕事にひたすら集中し続けると、時間はあっという間に過ぎていった。一日があっという間だった。昼休みも取らずに集中し続ける私を香奈が心配してくれていた。
「琴葉……根詰めすぎよ。お願いだから少し休んで」
「うん。きりの良いところまでやったら休むから」
パソコンの画面から視線をそらさずに香奈にそう言うと、香奈はあきらめたように私から離れた。悲しげに去っていく香奈の様子を一瞬思い浮かべたが、すぐにそれを払いのけ仕事に集中した。そんな私を木下次長が見つめていることに、私は気付いていなかった。


