私は決死の覚悟で会社へと向かった。会社前のカフェで香奈が私を待っていてくれた。一人では入りずらいでしょうと、クールに笑いながら言う香奈に何度もお礼を言った。オフィスに着くまでに嫌な視線を感じて、悲しくなったが香奈が私の手を取った。大丈夫だと、そう言いながら引っ張ってくれる香奈に感謝しかなかった。
オフィスに着くと、皆が一斉にこちらを見てきた。先ほどの視線よりも憐れむ様子の視線に胸が痛くなる。私たちは朝の挨拶をすると、自分のデスクに腰を下ろした。
「琴葉、ほら早く行って来なさい」
香奈に促されて、私は木下次長のデスクに向かった。
「木下次長、先日は失礼いたしました。申し訳ありませんでした」
私は土下座する勢いで頭を下げた。
すると木下次長の手が私の頭の上にのせられた。
「いい感じに酔っぱらっていたようだな。楽しかったんだな。大丈夫だ。気にしていない。もう飲みすぎるんじゃないぞ」
木下次長の言葉に言い知れぬ感情が沸き上がった。
違う、お酒のせいじゃない。
飲みすぎたせいで、虚言を吐いたんじゃない。
私は本当に木下次長が好きなんだ。
私はここがオフィスだということも忘れて、大きな声を出していた。
「木下次長が好きなんです」
2回目の告白だった。
その後、私は吹っ切れたように木下次長に告白を続けた。


