「私ではダメですか?次長が……木下次長が大好きなんです」
私は瞳に涙をためながら、木下次長を見た。木下次長は私をジッと見ながら、大きく溜め息をついた。
「皆川はこんな俺の何処が良いんだ?」
「全てですよ。仕事に厳しいけど、きちんと見てくれていてフォローしてくれるところ。皆の仕事が円滑に行えるように、朝早く出勤しているのに、残業までしているところ。怖い顔をしていても、考えていることは優しいこと。眉間の皺は怒っているわけじゃ無いことも知っているんですよ」
私はまくし立てるように、矢継ぎ早に木下次長の好きなところと、良いところを言葉にしていく。
それを聞いていた木下次長が、右手で口元を覆いながら顔を伏せた。その顔は真っ赤に染まっていて何だか……。
「可愛い……」
思わずそう口にしていまい。私は慌てて口を両手で押さえた。
「……たくっ……お前は……」
そう言った木下次長は、大きく息を吸ってから吐き出すと、いつもの様に眉間に皺を寄せた。しかし口角だけは上がっていた。
ああ……やっぱり好き。
私はこの人が好きだ。


