そんなこんなでお昼は楽しい時間だった。
おいしいものを沢山食べて、お腹が満たされると幸せな気持ちになった。この時の私は現実逃避をしていたんだと思う。これから訪れる悲しい別れに目を背け、考えないようにしていたんだ。
そして夕方……。
「沢山遊んだな。こんなに遊んだのは学生の頃いらいだろうな」
「私も久しぶりにこんなに遊びました」
「楽しかったな」
「はい。……良い思い出になりました」
私は前を向いたまま颯斗さんの顔を見ないようにしてそう答えた。そんな私を颯斗さんが見ているのがわかるが、それに私は気づかないふりをしてゆっくりと歩いた。
「颯斗さん、7日間ありがとうございました。泣いてしまうことも多かったですが、とても楽しくて幸せな時間を頂きました。颯斗さんを落として見せると言ったのにダメでしたね……残念です。月曜日からはまた元の上司と部下です」
「…………」
何も言わない颯斗さんに向かって私はまくし立てるように話し続けた。
だってそうしないと気持ちが溢れて涙が出そうだったから。一息で今の気持ちを言葉にしないと声が震えそうだった。悲しいという感情を見せれば颯斗さんも不快な思いをさせてしまう。それだけは嫌だった。


