そうして始まったカートゲームは颯斗さんの勝利で終わった。落胆する私だったが、颯斗さんはまた私の手を引いた。
「琴葉、次は向こうのゲームで勝負だ」
琴葉……。
今までそう呼んでいたかの様に、自然に颯斗さんが私の名前を呼んだ。あまりにも自然すぎて聞き流してしまいそうなぐらいだったが、私は息をのみつつも頬が緩むのを我慢できなかった。
ニマニマとしながら子供の様にはしゃぐ颯斗さんと共に、私も沢山のゲームを楽しんだ。大体のゲームを制覇したころで、疲れたのか颯斗さんがふーっと大きく息を吐いた。
「お腹がすいてきたな。何か食べに行くか?」
「そうですね。上の階にあるレストランに行きますか?」
「レストランもあるのか」
二人並んで上の階へ行くと、レストランはまだ混んでいなかった。お昼より少し前だったのがよかったのだろう。すぐにテーブル席へと案内され、ウエイトレスさんからメニュー表を手渡された。
「最初の格闘ゲームで負けた罰ゲームだ。好きなものを選びなさい」
「いいんですか?」
「ああ、何にする?」
「じゃあ、オムライスのハンバーグのせで!」
「おっ、良いな。俺はハンバーグと一口ステーキのセットだな。甘いものはどうする?」
「そんなに頼んでいいんですか?」
「もちろん、たくさん頼みなさい」
「じゃあ、チョコレートパフェもお願いします」


