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7Days~最後の日。
「やばい!やばい!やばい!」
焦りながら独りごちる琴葉の顔は青ざめていた。木下次長との待ち合わせ時刻は10時で既に9時30分を切っている。とりあえず顔を洗って服を着て、髪は……可愛くアレンジしたかったが、仕方が無い。簡単なハーフアップで可愛い髪留めで止めるだけにしよう。化粧も入念にしたかったが、いつも通りのナチュラルメイクしか出来そうに無い。
時間は?
9時50分前!
駅までは徒歩10分、ギリギリだが間に合いそうだ。
玄関前で忘れ物はないか確認をすると、足早に駅へと向かった。
駅に着くと木下次長が空を見上げながら、白い息を吐いていた。今日はいつもより更に寒く、私の口からも呼吸をするたび白い息が出ている。私は最後に深く一呼吸して、白い息を一気に吐き出すと、前を向いて木下次長の元へと向かった。
この人は今日まで彼氏……。
今日までは……。
瞳に涙が集まってくるのを必死に押さえ、楽しいことだけを考えようと脳内を切り替える。
今日は木下次長と初めてのデートだ。
そして最後のデート……。
笑顔で終わりにするんだから!


