朝から上司を隠し撮りし、今は上半身裸の木下次長を撮影してしまった。しかし木下次長は怒ることなく、私を見ながら口角を上げ髪を掻き上げた。その仕草がまた格好良くて、もう一度私はスマホのシャッターをきっていた。
……って、凄く幸せな時間だったけど、今はそれどころでは無い。
「大変、仕事に行かないと!」
「皆川?今日は土曜だぞ?」
「はい。休日出勤するつもりでいたんです。だから昨日はある程度で仕事にキリを付けて香奈と飲みに行ったんです。すみません、私行きますね」
私はささっと身支度を調えると、ホテルを後にした。
自分のデスクでパソコンのキーボードを叩きながら、時々今朝の木下次長の写真を見てはほくそ笑む。
キャーー!!
半裸で髪を掻き上げる仕草の木下次長ってば、格好良すぎる!
スマホを見てはほくそ笑む私を、同じく休日出勤していた同僚達が、不気味げに見ていたことに琴葉は気づいていなかった。スマホに気を取られながら何とか仕事を終わりにして家に帰ってきた。仕事をしながら何度も見た木下次長の写真を見ながら、琴葉はもうすぐやって来る約束の7日目について考えていた。
今日が6日目で明日は7日目だ。
明日には私は木下次長への想いを断ち切らなければいけない。
元々、私の一方通行な想いだった。
7日間で落として見せると胸を張って言っていた自分が恥ずかしい。美紀子さんの件が無かったとしても、うまくいかなかったと思う。
明日は笑顔でありがとうと言えるだろうか……。
昨日飲みながら私は決めたんだ。
笑顔でありがとうを言って、この思いを断ち切ると。
先週の金曜日7日間付き合うと約束をした日、私はもう一つ木下次長と約束をしていた。最後の7日目は一緒に過ごして欲しいと。明日はその7日目だ。10時に駅で待ち合わせのため、遅れないようにしなければ。そう思い早めにベッドに潜り込んだのだが、瞳を閉じても一向に眠気はやってこない。それならこのまま眠らずにいたほうが良いのかも?そんな事を思いながら目を閉じていると、朝方になり眠気がやって来た。


