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ユラユラと揺れている。
大きな背中……温かい。
安心する。
これって、おんぶ……されているよね。
夢……なのかな?
頭がボーッとする。
そんな私の鼻腔をくすぐる匂いがした。
木下次長がいつも使っている香水の匂い?
そっと目を開けると、焦点が合わずに視界がぼんやりとしている。
ここは何処だろう?
目をこすりながら周りを見渡すと、大好きな人の声が聞こえた。
「起きたのか?」
え?
夢じゃない。
どういう状況?
自分の置かれている状況を確認して、私は悲鳴を上げそうになるのを両手で押さえた。
「ふぐ……っ……き、き、き……木下次長、これはどういった状況ですか?」
「ああ、皆川が泥酔して動かせないと連絡をもらってな。とりあえず駅に向かっているところだ」
「でも、でも、でも、私はどうしておんぶされているんですか?」
「どうしてって、他に移動方法がなくてな」
「……そうですか。とれあえずもう大丈夫みたいです」
「先ほどまで泥酔して悪態をついていたが、酔いは覚めたようだな」
悪態と言う言葉に、サーッと血の気が引いていく。
何ですってえぇぇぇぇーーーー?!


