私は子供の様に泣きじゃくりながら、ボロボロと涙をこぼしていた。泣きながらも私の口は止まらない。
「分っている……っ思いが通じ合う……そんな事があるわけがないって……。それでも奇跡が起きて琴葉が私を見てくれるかも……っ……て夢を見た日だってあった。……そんな事があるわけがないのに……琴葉の視線の先は……先にいたのは……見ているのは、いつだって木下次長だった……」
言葉にすればするほど、胸が張り裂けそうだった。
辛い……悲しい……。
言葉といっしょに、涙がボロボロと溢れ出し、頬をつたって落ちていく。
報われない思いを吐露する私を哀れに思ったのか、杏さんが強く強く抱きしめてくれた。
「そうよね……友情は愛情には変わらない……。純粋に好意を向けてくる相手ほど、こっちが勘違いして辛い思いをするのよね。もしかしたらって、両思いになれるかもって……辛かったわよね」
私を受け止めてくれる言葉に、更に涙が溢れ出す。
純粋な好意……。
いつもそうだった……。
琴葉の言動に勝手に勘違いして、期待して、のめり込んで、落胆していた。
無自覚な好意に涙を流した。
それはけして琴葉のせいではない。
「香奈、大好き!」そんな言葉にいつも振り回されていた。でもそれは私の言葉の受け取り方が悪いせいだ。
勝手に好意だと思ってしまうのだから。
琴葉が悪いわけではない。
だから琴葉を近くで見守れればと……そう思っていた。けれど心の奥底では真逆の想いを秘めていた。
琴葉のそばで幸せな姿を見ていられれば良いなんて嘘だ。
私だって幸せになりたい。
琴葉と幸せになりたいと。
体の奥底から感情が溢れ出す。
「うっ……っ……くっ……っ……」
私は声を押し殺して泣いた。


