7Days~7日間であなたを落とす方法


「皆川さんと颯斗を見ていて辛くならないの?」

「……辛くないと言ったらウソになりますね。……それでも幸せそうに笑う琴葉を見ていることが、私の幸せなんです。琴葉が幸せならそれでいい」

「はぁーー。そうよね。私もそんな時期があったわ」

 昔を思い出し、懐かしむように杏さんが言った。

 その時、バーの扉が開く音がした。

 そちらに視線を向けると、走ってきたのか息を切らして立っている木下次長がいた。

「颯斗、早かったわね」

「杏!どういうことだ。皆川はどうした?」

「皆川さんならそこで寝ているわよ」

 それを聞いて、木下次長は大きく息を吐き出し、立ったまま両膝に手を置いて項垂れた。

「どういうことだ?皆川が大変だと言っていただろう?」

「大変じゃない。こんなに泥酔しちゃって……寝ちゃったのよ」

「だったらそう言え、一大事だとか、大変だと言われたら心配するだろうが!」

「あらそう」

「お前な!」

 言い合う二人を見ながら呆然としていると、木下次長がこちらに振り返った。

「角田すまない。騒がせたな。皆川は大丈夫か?」

「はい。眠っているだけですから」

 ホッと息を漏らす木下次長を見て、もやっとした感情が沸き上がる。

 この人は何故か、琴葉に好かれているというのに、それを良いことに胡坐(あぐら)をかいているように見えてしまう。

 私なら……私が男なら絶対に琴葉を幸せにして、笑顔にしてやるのに。

 どうしてこの人なの……。