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それから2時間後――――。
私、角田香奈は琴葉の介抱をしていた。
「私はダメな人間なんれしゅよー。知らなかったとは言えー、木下次長に自分の想いだけを押しちゅけてー」
「はいはい。琴葉、水飲んで落ち着いて」
「かーなー。ありがとねーー」
私に抱きつきながら琴葉は泥酔していた。
私はそんな琴葉を愛おしそうに見つめながら、優しく背中を撫でた。
「あなたも不憫ね」
そう言ったのは杏さんだ。
「何がですか?」
「私が気づかないとでも思った?」
「…………」
「好きなんでしょう?」
その言葉に私は、焦りながら琴葉に視線を向けた。しかし琴葉は泥酔したまま眠っていた。
「よかった……」
ホッと胸をなで下ろす私を、杏さんは面白げに見ている。
「そんなにその子が大切?」
「そうですね。この子は純粋で、真っ直ぐで、私に無いものを沢山持っている。人に言えないこんな私のセクシャリティーを聞いても、きっと一緒に悩んでくれる子だと思うんです」
「それならどうして言わないの?」
「この関係を崩したくないんです。琴葉は私を信じきっているから……下心があると知られたくないです」
杏さんは眉を寄せながら私を見た。


