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木下次長と美紀子さんの話を聞いた私は、自分よがりだった想いを反省した。相手の気持ちを考えずに、自分の想いだけを押しつけていた。木下次長にあんな過去があるとも知らず……。
私はバカだ……。
どうして私を拒むのか、その理由を考える事もしなかった。
私が告白をするたびに、木下次長はどんな思いだったのだろう。どんな気持ちだったのだろう。
美紀子さんの事を思い出していたのだろうか?
もう愛を囁くことの出来ないその人に……その想いを馳せていたのだろうか?
私が告白するたびに、困ったような悲しそうな顔をしていた木下次長。
その意味は……。
ああ……自分の心ない言動を恥じたい。
もし自分が木下次長の立場なら立ち直れなかっただろう。
自分の目の前で愛する人を亡くして、看取って……、どんなに泣いても戻ってこない愛する人。
パソコンのキーボードを叩きながら、ジワリと瞳に涙が溜まっていく。
パソコンの画面が滲み、ユラユラと揺れている。
これでは仕事にならない。
私は深呼吸を繰り返しては、回りに気づかれないように涙を拭いて仕事を続けた。


