7Days~7日間であなたを落とす方法


「颯斗!しっかりしろ!」

 そう言いながら杏が俺の頬を叩いた。

 親友が亡くなって杏も悲しいはずなのに、俺を立ち直らせるために必死に前を向いている。

「杏……俺は美紀子を愛しているんだ」

「そんなこと知ってるわよ。私だって大好きだった……愛していた……愛していたわよ……」

 ボロボロと涙を流しながら杏が、そう言い放った。そして最後の言葉は消え入るように小さな声だった。

 愛していた……?

 杏の言葉に、俺の心は冷静になっていった。

 昔から杏は美紀子と仲が良かった。男で彼氏の俺が嫉妬するほどの仲の良さだった。

 その意味は……。

 杏も美紀子のことを……。

 そうか……そうだったのか……。

 杏は今までどんな思いで、俺達を見ていたのだろうか……。

 俺は無神経な言葉を杏に掛けていたことは無いかっただろうか……。

 お前も早くいい人をつくれと、何度も言った覚えがある。

 最低だ……。

 杏は美紀子の棺を見ながら、肩を振るわせていた。
 
 杏もまた俺と同じように美紀子を愛していたんだ。

 愛する人を失った俺達は同士になった。

 杏の存在は俺にとって大きなものとなっていた。

 同じ悲しみを持つ人間が近くにいる。

 それだけで悲しみを分け合い、生きていける気がした。