それからは『絶望』だった。
俺達には幸せな未来しかないと思っていたのに、美紀子のいなくなった世界は、俺にとって地獄だった。
何もやる気にならない……やる気が起こらない。
仕事に行くことも、風呂に入ることも、食事を摂ることさえも出来なくなった。
ボロボロだった。
身体的にも、精神的にもボロボロだった。
そんな中で美紀子の葬式が執り行われた。
ボロボロの状態で葬儀に出席した俺に対して、皆は哀れみの視線を向けてきた。うっとうしい視線……普段ならそう思っただろう。しかし今はそんな視線を気にすることなど出来ないほど俺は追い込まれていた。棺の前で俺はうつろな目をしながら、きれいな花に埋もれている美紀子を見下ろし、ブツブツと声を掛けた。
「美紀子、君の所に逝きたいよ」
何度もそう呟いた。
美紀子の所に行きたい。
ただそれだけを願った。
そんな俺の頬に強い痛みが走った。
「颯斗!あんた何を言ってんの?!あんたが命を全うせずに美紀子の所に行って、美紀子が喜ぶとでも思ってんの!?」
もう一度、俺の頬に痛みが走る。


