先ほどまで笑っていた。
俺に手を振っていたじゃ無いか……。
ほら……だからまだ温かい……美紀子の体はこんなにも温かいじゃないか……。
震える体で美紀子を抱きしめる。
「美紀子!」
回りにいた野次馬達が俺達を見て、何かを言っている。
「あの子はダメだな」
そんな声が聞こえてくる。
ダメ?
ダメってなんだ?
抱きしめていた美紀子に視線をやると、人の体とは思えないほど青白い色をしていた。それはまるで人形のようで、ゾクリと体が震えた。
美紀子を失いたくない。
俺の体はガタガタと震えていた。
嫌だ……逝くな。
俺を置いて逝かないでくれ!
「美紀子!」
何度も美紀子の名を呼び、返ってこない返事に限界を超え、俺は叫んでいた。
「うぁ……うぁぁぁぁああああああっっっっ!!!!ダメだ!逝くな!美紀子ーーーーっっ!!」
俺の悲痛な叫び声が響き渡り、暗くなり始めた夕闇の空に消えていった。


