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週末会社の飲み会が開かれた。今日は大きな企画が成功し、部所を上げての大きな宴会となった。今日ばかりは無礼講とばかりにお酒を酌み交わし、声を上げて笑い合う。
「いやー。良い仕事したよな。土日も休日出勤して頑張った甲斐があるよな」
「俺、この会社に入って良かった」
「キツかったけど、最高だよな」
「それなー」
そんな声が、色々な所から聞こえてくる。
私はそれを聞きながら、木下次長の姿を探した。すると視界の隅に次長の姿を捕らえた。木下次長はいつものように眉間に皺をくっきりと浮かび上がらせながらお酒を飲んでいた。そのせいで、部下達がビクつきながら木下次長に声を掛けている。部下に気を使わせていることに気付いたようだが、木下次長の眉間の皺は深くなるばかりだった。一層深くなった眉間の皺に、部下達は冷や汗を掻きながら媚び諂うように笑い話しかけているが、その笑顔は引きつっており、顔は青ざめている。木下次長は怒っているわけではないと思うのだが、部下達は少し話をすると自分の席に戻って行った。
そんなに警戒しなくても、木下次長は優しい人なのに……。


