トラックの奥は地獄のような光景が広がっていた。信号待ちをしていた沢山の人達が歩道に倒れている。意識のある人や無い人もいるようで、俺はその中から美紀子を探す。
美紀子は横断歩道の一番前にいた……。
最悪の事態が脳裏に浮かぶ。
心臓が痛いぐらいに大きく鼓動を打つのを感じながら、必死に美紀子を探した。
「美紀子!美紀子!美紀子!」
俺は何度も何度も美紀子の名前を呼んだ。
そして歩道に横たわる美紀子を見つけた。
美紀子の名を呼びながら美紀子に駆け寄り、抱き寄せた。まるで寝ているだけのように見える美紀子だったが、その顔は血の気がなく、グッタリとしていた。
「美紀子!」
俺は大きな声で美紀子に呼びかける。
その時、ぬるりとした感触が……生温かい手の感触に、思わず息を呑む。
何だこれは……。
俺の手は血で真っ赤に染まっていた。
何だ……何なんだこれは……。
「美紀子!美紀子!」
ひたすら俺は美紀子の名を呼んだ。


