それから5年の月日が流れた――――。
俺は美紀子の誕生日に、いつもとは違う高級ホテルのディナーを予約した。ディナーが終わると、夜景の広がるロマンチックなその場所でプロポーズをした。美紀子は驚きながらも、俺の差し出したダイヤの指輪を受け取ってくれた。そこからはあっという間だった。両親にも挨拶をして、結婚式場を決め、招待状を作成していた。それを配送しようとしていたある日のことだった。それはいつもと何も変わらない日常だったと思う。
仕事が終わり、美紀子との待ち合わせ場所に急いでいた。フッと前を見ると、信号待ちしている美紀子の姿があった。俺が美紀子に向かって手を上げると、それに気づいた美紀子が一歩前に出て手を振ってきた。ふわりと笑った顔が可愛くて、俺の顔は気持ち悪く緩んでいるんじゃ無いかと思った瞬間。トラックに隠れて美紀子の姿が見えなくなった。そしてドンッという衝撃音、悲鳴。
何が起こったのか分らなかった。信号が青に変わったが足が前に動かない。ドンッと後ろから歩いてきた人の肩がぶつかり、俺は我に返ると、美紀子に向かって走りだした。
「美紀子!」
叫びながら俺は美紀子を探す。


