女性担当の倉野さんが答え、私は木下次長に視線を向け小さく頷いてから、ゆっくりと立ち上がり説明を開始した。自分の考えてきた企画書が更に相手に伝わるように、補足をしながら説明をしていく。それを聞きながら『メイジア』企画担当の二人が、時々頷きながら資料と私を見る。緊張から背中がビリビリとした。そんな症状に襲われながらも、必死にこの企画に対する自分の思いを全てぶつけていく。何とか企画書の最後の一文を読み切ると、会議室が無音になり一瞬の静寂が訪れる。
ダメだった?
失敗したのかな?
ネガティブな想像が脳内を駆け巡り、一気に冷や汗が溢れ出す。顔面が蒼白になりだした頃、倉野さんが口を開いた。
「よく考えられた企画書でした。とても分かりやすくて、皆川さんの思いが良く伝わってきました。御社としてはこの企画で話を進めていきたいと思います」
「良いんですか!」
思わずそう答えると、フッと倉野さんが口角を上げて美しく微笑んだ。
うわーっ、素敵な笑顔。
名刺を渡されたときに思ってたけど、倉野さんてすっごい美人さんだな。黒い髪は少しウエイブしていて、その髪を耳に掛ける仕草は大人の色気がある。赤い口紅がとても良く似合っていて、少し瞳を細めると、その妖艶さに女の私でもドキドキとしてしまう。女性の魅力を詰め合わせたような人だ。私がボーッと倉野さんを見つめていると、ふふっと笑った倉野さんが私の元までやって来た。
「これから宜しくね。皆川」
「あっ、宜しくお願いします」
勢いよく頭を下げた私を見て、倉野さんが楽しそうにまたふふふっと笑った。


