会議室に通された私と木下次長は、『メイジア』の企画担当者が到着するのを待っていた。その間に、私は自分の企画書に目を通す。この交渉次第では大きなお金が動くこととなり、会社に大きな利益が生まれることになる。私の頑張りは会社の為になる。それは直属の上司である木下次長の為になる……はず。
頑張らなくては!
その時、会議室にノック音が響き渡り、扉に視線を向けた。するとそこに男女が一人ずつ立っていた。
「お待たせしました。企画責任者の倉野です。隣にいるのが同じく企画担当の相葉です。よろしくお願いします」
そう言って女性が名刺を差し出してきた。私はそれを受け取りながら自分も用意していた名刺を渡す。それを男性とも行いながら名刺の名前を確認した。名刺には『メイジア』企画担当と印字され、女性が倉野杏さんで男性が相葉健一さんという名前であることが記載されていた。
私は営業スマイルで二人に笑顔を向けていると、隣にいた木下次長が落ち着いた声音で話し出した。
「クライス企画担当の木下です。隣にいるのが、今回の企画発案者の皆川です。本日は時間を取って頂きありがとうございます。早速ですが、本日の企画にかんして皆川の方から説明を開始させて頂きますがよろしいでしょうか?」
「よろしくお願いします」


