木下次長はモップを片手に、自分の腕を眺めた。
「普通だと思うが?」
「そんな事無いですよ。見て下さい」
そう言って私は木下次長に自分の腕をまくって見せた。腕を比べるように並べると、木下次長の腕は自分の腕の倍以上のように見えた。
「ほら、こんなに違う」
琴葉はまくった腕を元にもどしながら、木下次長の腕に触れた。血管の浮き出したたくましい腕は惚れ惚れするほど、格好いい。
「私なんて簡単に持ち上げられそうですね」
「皆川なら二人分ぐらい簡単に持ち上げられるぞ」
「ホントですか!」
私はパーッと顔を輝かせて木下次長を見上げた。
「木下次長、お願いします」
そう言いながら手を差し出すと、木下次長は仕方が無いなと言った様子で、力こぶを作るような格好で私を待ち構える。私はその腕にぶら下がる様に手を添えると、グイッと木下次長が持ち上げた。
ブラーンっと、私は床から数センチ上に持ち上げられた。
「キャーッ!」


