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3Days~。
次の日、私は駅のホームで木下次長を待っていた。時刻は6時10分電車の到着時刻は6時23分の予定だ。周りを見渡すが木下次長はまだ来ていない。人もまばらで、いつも私が利用する時間よりかなりすいている。
この時間は静かだな。
それに思ったより寒い。もう少し温かい服装でくればよかったと思いながら、冷たくなった手をこすり合わせる。赤くなった手を見ながらハーッと息を吹きかけていると、肩を叩かれた。
「皆川おはよう。本当に来たんだな」
「木下次長、おはようございます」
「寒いのか?大丈夫か?」
「大丈夫ですよ」
えへへと、寒さを笑顔でごまかそうとすると、次長が手を握りしめてきた。
「冷たいな。温かい物でも飲むか?」
「い……いえ、大丈夫です」
私の手は、大きな次長の手にすっぽりと包まれ、温かい木下次長の体温が、こちらに移ってくる。
「温かい……」
ほっと息を吐き出すと、電車の到着を知らせるアナウンスがホームに響き渡った。それと同時に木下次長の手がするりと私の手から離れていく。すると温かかった私の手が再び冷気に晒されて、寂しさが押し寄せる。もう少し触れていて欲しかった。手が離れてしまったことを寂しく思っていると、右手が大きな手で再び包まれた。
「皆川、電車に乗り遅れるぞ」


