私はうっとりとしながら、木下次長の仕事姿を堪能した。
「待たせたな。すぐに帰ろう」
「いえ、最高の時間をありがとうございました」
私の言葉に言っている意味が分らないと言った様子で、木下次長が「?」とした表情から、キョトンとした表情に変わった。
うわっ……可愛い。
木下次長ってこんな顔もするんだ。
私は思わず木下次長に向かって両手を合わせて拝んだ。
だって拝まずにはいられない。
最高です。
尊い……。
この顔もスマホに納めたかった。
あっ……涙出てきた。
「おい、皆川?何をやっている?」
「いえ、すみません。気にしないで下さい」
「そっ……そうか?それなら帰ろう」
木下次長が引いているような気がするが、気にせず私達はオフィスの電気を消してエントランスを出た。外は秋から冬に変わり始め、乾いた風のせいで体がブルリと震えた。
「わーっ、大分涼しくなってきましたね」
「ああ、そうだな。これからどんどん寒くなる。体調管理には気を付けるように」
「はい!」
木下次長らしい言葉に、私は大きく返事をした。
「……っ。すまない。どうしてもこう言う口調になってしまうんだ」
ん?


