7Days~7日間であなたを落とす方法


 意外と大きな音が響いて、私は焦った。

 シャッター音に気づいた木下次長がパソコンの画面から顔を上げた。

「皆川?」

 隠し撮りしていた罪悪感から、あたふたしながら私はゆっくりと木下次長の前まで歩いて行く。まるで死刑執行を受ける犯罪者の気分だ。重い足取りで木下次長のデスクの前に行き、コーヒーの入った紙袋を見せた。

「木下次長、お疲れ様です。これ……あの……」

 隠し撮りしていた事実を悟られないよう、私は先ほど購入したブラックコーヒーを紙袋から出して、木下次長に手渡した。

 お願いだから、シャッター音についての話はしないで……このままごまかされててください。

「ん?コーヒーか?」

「はい。木下次長はブラックでしたよね?」

 冷や汗をダラダラかきながら私はコーヒーで話を逸らす。

「ああ、そうだ。覚えていてくれたんだな。ありがとう」

 そう言って、私の手からブラックコーヒーを受け取った木下次長が、眉間の皺を緩めた。

 良かった。

 シャッター音については気にしていないみたいだ。

「わざわざ買いに行ってくれたんだな」

「これぐらいしか出来ないので……」

「ありがとう」

 木下次長がゆっくりと口角を上げた。

 キューンと胸が音を立てた。

 ああ、好き過ぎる。

「木下次長、好きです」

「皆川は口を開けばその言葉を口にするな」

「迷惑ですか?」

「そうではないが、なぜ俺なんだろうとは思っている。こんな俺の何処が良いんだろうと……」

「だからそれは……」

「待て、言うな」